6月, 2011年
震災関連の税務(1)
これから何回かに分けて、今回の震災に関連した税制についてご紹介します。
第1回目は、所得税の雑損控除です。
雑損控除は、災害、盗難又は横領によって損害を受けた場合や、災害に関連して
やむを得ない支出をした場合に、その金額のうち、一定の金額を
その災害が生じた年の所得の金額から
控除することができるという規定です。
でも、大規模な災害が生じた場合、その年に所得など発生するものでしょうか。
たとえ、雑損控除が適用できる損害があったとしても、
そもそも、所得がなければ損失を控除することはできません。
これを具体的に今回の震災の場合で当てはめてみると、
個人事業を営んでいたAさんが、3月11日に津波被害を受け、
それ以降事業の再開ができないまま、平成23年が終了した場合。
Aさんの平成23年の事業の収入は、1月からの2ヶ月半足らずのみです。
所得が出る可能性は大変低いものとなります。
たとえ莫大な災害損失額が出たとしても、ひくための所得がなければ
絵に描いた餅です。
そこで、震災特例法では、この雑損控除の規定を実効性のあるものにするために、
被災年の前年、平成22年の所得にさかのぼって、
控除することができるものとしています。
なお、土地については通常、損失を計上することはありませんが、
震災による地盤沈下の影響で、自己の所有する土地が海面下になってしまい、
現状を回復することができないと確定したものは、
その損失額を雑損控除の対象とすることができます。
グーグルインクからのアフィリエイト収入は消費税の課税取引か
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女性起業家を応援する品川区の税理士高橋ちぐさです。
開業に関する無料相談を受け付けています。
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最近ワイン会が続いています。先月末のスペインワインの会に続き
先週はスロベニアワインの試飲会に行きました。
スロベニアは旧ユーゴスラビアで、地理的にはオーストリアの隣
に位置するということも今回のワイン会で知った地理オンチな私^^;
白ワインが9種類+白のスパークリングワインと1種類の赤ワインが
飲み放題でした。赤ワイン好きのわたしには少し物足りなかったですが、
特にスパークリングワインのRadgona Gold、2006、extra dry が
キリッとしてて、すごくおいしかったです^^
ところで、5月末に顧問先の消費税の更正の請求をしました。
「更正の請求」とは、過去に税金を多く払いすぎてしまった場合に
その還付を税務署に求めることです。(請求の期限は1年以内です。)
内容は、グーグルの本社(アメリカ)との契約により得ていたアフィリエイト
収入を消費税の課税売上として前期以前から申告していたのですが、
海外の会社に対する役務の提供は「輸出免税」*に該当するのであるから、
(つまり今回でいうとグーグルの広告を自分のサイトに載せる行為が
役務の提供になります。)5%課税されていたものを返して欲しいという申請
を出したのです。
*輸出免税とは日本法人がする外国企業との取引は消費税を0%課税にすること。
ただし、その外国企業が日本国内に支社や倉庫等を保有していない場合に限ります。
事前に管轄の税務署の担当者に確認しましたが、初めての事例で困惑していました。
税理士仲間に聞いても、実際にこの事例を扱った経験がある人がいないのです。
実際にグーグルのアフィリエイトで収入を得ている人は多いと思うのですが。。。
今回の請求が認められるかどうかは、グーグルの日本法人、グーグル㈱の存在が、
グーグルインクの支社とみなされるかどうかにかかっています。
本社との関係性や日本法人の業務内容を税務署がどう判断するかがポイントです。
結果が出ましたらまたご報告いたします!
(お断り) ブログの性質上一般の方にわかりやすい表現を使っており、
また説明を一部簡略化しております。実際の事例の判断につきましては、
個別に税理士や管轄の税務署にお問い合わせください。
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